半二重通信は、1つの伝送路を用いて送信と受信を切り替えながら通信する方式です。
そのため、全二重のように同時に送受信を行うことはできません。
しかしながら、マルチドロップ接続と半二重通信を併用して複数台の機器と通信させる方法は、広く利用されています。
特にRS-485の場合、通信距離が長いケースが多く見られます。
このため、伝送路を1つにできるこの方法は、線材の敷設工事を軽減し、電材費用も抑える効果も期待できます。
一方、パソコン側のデバイスに搭載されている通信用LSI(Large Scale Integration)チップは、全二重通信を前提に設計されています。
このため、当社ではRTS出力信号を変化させ、自局の送信電文を自局の受信バッファで受け取らないことで、半二重通信を実現する技術を採用しています。
CPU負荷が低減でき、電文取りこぼしのリスクが低くなり、安定した通信が期待できます。
当社デバイスで半二重通信を行う場合、ハード設定とソフト設定が共に必要です。
ハード設定では、LSIチップ上のRTS(Request To Send)出力信号を、CTS(Clear To Send)へ入力させたり、RxD(Receive
Data)のゲート制御します。
必要に応じて、不要な信号反射を防ぐためにターミネータ(終端抵抗)を有効にします。
ハードウェア仕様やハード設定方法は、利用デバイスよって異なりますので、各々の解説書を参照してください。
参考回路:COM-4PDHN-USBの場合
半二重通信へハード設定した上で、RTS出力信号を、ソフトウェアで適切なタイミングで変化させることが必要です。
利用するソフトウェアによって、設定方法は異なります。
詳細は、チュートリアル/RS-485通信を参照してください。
参考ソフト設定:COMプロパティの詳細設定(半二重設定を有効にすると、RTS出力信号が自動的に制御されます)